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【 Spectator Vol.44 ~ヒッピーの教科書~ 】

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スペクテイターの新刊が届いております。

僕も20代の頃、「愛、平和、自由」を掲げたヒッピーカルチャーに興味をもち、日本国内で行われている小さな「祭り」に参加してはヒッピーの思想に触れようとしたのですが、なんとなく漂う排他的な空気や、行き過ぎた自然崇拝にもカルトのような違和感を覚えて、それ以上深追いすることもやめてしまいました。

そのあと、僕の興味はビートやヒッピー発祥の地サンフランシスコへと向かうのですが、ヘイト・アッシュバリーはお土産屋さんが並ぶ観光地と化していて、シティライツブックストアも建物の内装はかっこいいものの、僕のイメージしていた雰囲気とはかけ離れてがっくりと肩を落としたものですが、いまこの本を読むと納得がいきます。

「1967年の夏頃から、社会風俗としてのヒッピーは完全に下火に向かっていた」(SPECTATORより抜粋)

と、僕が生まれる以前からヒッピーカルチャーは崩壊しており、僕が求めていたようなユートピアの風景は、僕自身が勝手に作り出した幻影であるということに薄々は気づいていたものの、こうもはっきりと書かれていると
「この本をあの頃(20代)に読んでいたら、もう少しスマートにヒッピーの本質にたどり着けたのではないだろうか」
と、想像せずにはいられません。

しかし、20代の頃に日本各地で行われていたヒッピーの「祭り」に繰り出したおかげで日本の自然の美しさや、温泉や湯治場という日本固有の文化に触れられたのも確かですし、また30代の頃に足繁く通ったサンフランシスコではビートやヒッピーカルチャーは衰退していたものの、そのかわりにベイエリア独自のサーフシーン、アートシーンが構築されている最中で、そのシーンを間近で見れたことも僕にとっては大きな収穫でもありました。

そして40代の現在、西丹沢に土地を購入してから畑や庭の世話に追われる毎日を過ごしている僕が畑や庭作りの方法で行き詰まったときによく眺めているのはロイド・カーンやビル・モリソンなどの著書であり、それらは僕のバイブルとも言えるくらいにお世話になっている本でもあります。

これらは「ヒッピーカルチャー」を追っている最中に出会った副産物のようなものなのですが、いつまでたってもヒッピーの本質にはたどり着けませんでした。

結局僕は(先ほど申した通り)僕自身が作り出した幻影である「理想のヒッピー像」を強く求めたり、ときには悲観的に捉えたり、ときには中指を立てたりしながらも、どうにか僕の心の中でうまく折り合いをつけて仲良く(?)暮らしてきたのですが、さすがにこの年齢にもなるとその行為の無意味さに気づきはじめます。

「どこかにある誰かが創ったユートピアを追い求めるという行為は、あまりにも他力本願であり、そこに集まる人たちで形成されたコミュニティは皆が皆に依存する形態となる。はたしてそのコミュニティが正しい自由の姿なのだろうか。理想のユートピアとは個人個人が自分の責任で創るものであって、その独立した個人が集まりで形成されたコミュニティが、もしかしたら本当の自由の姿なのかもしれない」

と思い直していた矢先、この冊子が僕の手元に届いたという訳であります。

この一冊の本により、まったくもって僕の自作自演であった「ヒッピーの呪縛」から解き放たれたような心持ちになりました。

興味のある方は一読をお勧めいたします。
(H間)

●Spectator vol.44 "ヒッピーの教科書"
¥1,000-(plus tax)THANKS SOLD!!

One Size Fits All

随分とご無沙汰してしまった。

最近はSNSの投稿と、雑誌GO OUTで連載もはじまって、SNSと紙媒体の中間に位置する、このブログなるものの更新が疎かになってしまっていた。

僕はいまインスタグラムを主に使っていて、投稿の「手軽さ」が気に入っているのだけれど、それでも投稿した後はそれなりにメッセージを返したりと時間がとられる。

フェイスブックやツイッターのアカウントは持っているものの、触ってはいないので、これらを本気でやろうとしたら自分の時間が全くなくなってしまうような気がする。

そのうちにAIなるものに自分の投稿の癖を学習させて、自動投稿モードや自動メッセージモードなどが出始めて「あぁ、便利になったねぇ」という結末になるのではないか、と勝手に心配している。

そんな心配をしつつも、さきに申し上げた通り雑誌GO OUTでの連載がはじまった。

題名は「One Size Fits All」といって、本来はベースボールキャップなどのフリーサイズを表す言葉だが、最初にこの言葉を見たときに僕は地球とか時間とか空間をイメージしていた。

ベースボールキャップのサイズ表記を見て、そんな壮大なことをイメージしている自分を客観視してちょっと笑ってしまったが、この解釈がとても気に入った。

そこで積年の夢でもある山の土地を買い、その様子を文章とファッションページで構成したらおもしろいのではないか、と前から練っていた構想の連載ページの題名を「One Size Fits All」と決めた。
 
掲載媒体は雑誌だけにこだわっていなかったが、最近GO OUTの編集者さんと近しい間柄になったので、相談してみたところ自由にやらせてもらえそうなので、この雑誌に決めた。

自分の肩書きや、無理に格式の高い場所で自分を押し殺してまで何かを発表するということに興味がないので、仕事は「この媒体がいい」というよりかは「この人がいい」という感じできめている。

あとは「報酬」。

連載をするということはそれなりにエネルギーも時間も使うので、それに見合う報酬はもらわないといけない。
 
最近は「報酬」の話をしないで、仕事の話を進める人がとくに多い気がするので、ここで一言。
 
フリーランスの皆さん。

あなたの労力や時間に見合うよう「報酬」の話はしっかりとする努力をしましょう。

それも仕事です。

I talking about small businesss.

というわけで、新しくはじまった連載「One Size Fits All」をよろしくお願いします。

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(H間)

【「Les Montagnards」 for PROTESTERS】

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「.......RESERCH」のルックブックのスタイリングをしました。
 
テーマは「Les Montagnards」 for PROTESTERS
「Les Montagnards」は「山のひと」
「PROTESTERS」は「抗議するひと」
という意味です。
 
最初にデザイナーの小林さんからお話をいただいたのは昨年2017年の11月ごろ。
「デモをテーマにしたコレクションをやりたいんだ。だから、服もまっ黒。
興味があったら本間に力を借りたいんだよね」と。
 
頼りにされることは嬉しいのですが、
僕自身「デモ」という行為を推奨してはいないので、
少し悩みました。
大層な身分のようではありますが、僕はいつも仕事の依頼があると
「この仕事は自分がやるべきことなのか」と考えます。

その理由は僕にも少しばかりの信念があり、この信念を曲げるようなことをして得たお金で暮らしていても、つまらないからです。

お金持ちにはなれませんでしたが、この信念を曲げることなく、僕たち家族が食べるものに困ることもなく暮らせることは、ほんとうに幸せなことだと思っています。
 
話がそれましたが、この仕事の依頼を受けるか否か?
そろそろ決断のときが近づいていました。
一ヶ月ほど悩みに悩んで、僕は断ることに決めました。
断られたほうは、すぐにでも次の代役を探さないといけないので、
また今度会ったときにあらためて謝ろうと、
失礼は承知の上で、早々にお断りの理由をメールで述べました。
 
少々長いですが、下記の文章はそのときの僕と小林さんの文章のやりとりです。
一語一句変えておりません。
(掲載においては、小林さんからも許可をいただいております)
 
 
『2017年12月8日 12:20』

小林さん、お疲れ様です。

連絡が遅くなってすいません。
小林さんから撮影の話をいただいてから、しばらく考えておりました。
そのことについて、僕の意見を書きたいと思います。

原発事故の後、僕も反原発運動のデモに参加したことがありました。
あのときは大規模なデモが多くの場所で行われていて、その現場がどういったものなのかを
確かめに行きたい気持ちと、自分自身のなかにある政治に対しての虚無感を
同じ志を持つ人たちと共有することで、また思うことがあるのかもしれない
という気持ちがありました。

デモの現場は思っていたよりも盛り上がっていました。
反復するシュプレヒコールに圧倒され、自分も声を合わせていると
「もしかしたら、なにかが変わるのではないか」
という気持ちになりました。

しかし、原発に関しての日本政府の対応はご存知のとおりです。

そこから僕はデモへは行かなくなりました。
その理由はデモの根底に「NO」というエネルギーが渦巻いているのではないか
と思ったからです。
一つの事象に「YES」と答えることと「NO」と答えることは
大きく異なるような気がします。
「YES」と答えるよりも「NO」と答えるほうが、責任が重く
たくさんの知識を必要とします。

原発問題に関してはあまりにも莫大な費用と期間を要して構築されたシステムを
もう、僕(たち)の力ではどうにもならないということを知りました。

そして、そのことに「NO」と言い続ける責任の重さを感じて
僕は逃げたのです。

そのころから自然へと興味が湧いてきて、山に入っては小さな「YES」をみつけて
文章に残す作家の本を読み耽りました。

僕も同じように山に入りただ歩いているだけで、救われたような気持ちになりました。

今回の小林さんのテーマを考えたときに、どうしても僕の中でクリエイションの膨らみを
持たすことができませんでした。

それは僕自身のエゴが強すぎて、もしかしたらプロとしては失格なのかもしれません。

ですが、これからの自分の時間を出来る限り「YES」と寄り添いたいと思っています。

長々と生意気なことを書いてすいません。

どうか、気を悪くされないでください。
連絡が遅くなり申し訳ありませんでした。

本間良二
 
 
『2017年12月8日 13:09』

オッス、本間。
メールありがとう。

本間がデモの NOの空気感が嫌で関わりたくないと
言っていたのはもちろん、覚えている。

時代が大きく動いていて
個人の自由の尊重より
国という単位で考えなければ という声が支配的になっている
そこで察しがつく、デモが多くなる世の中になるんだろうと。

本間の言うように、その場はYESとNOの対立構造になり
怒号渦巻く状態になるでしょう

そんな異議申し立てすら、もう届かない声になろうとしている。
だから、届かないことが判明した側は急進的な行動が多くなる。

そんな、この先のギザギザした世の中あるいはデモ現場に
花を撒く必要があると思ったんだよ
実際のデモ現場だけの話ではなくて
異議申し立てをしなくてはいけないのに
対立構造が激化する場面ではただのNoの感情の渦に巻かれて
しまう。
興奮しすぎた感情を"花"と言うものでスイッチしたいから
暴力の場に花の力を添えて違う景色にしたい。
だから"対立構造下の花の存在"がテーマとも言える。

右でも左でもなく、山側の心安らぐ日々が大事だと思い出してもらう為に。

Yesはもちろん大事、コミュニケーションの核だから
でも、この先の時代は異議申し立てがしやすい環境をみんなそれぞれの
方法で守れるように関与したい。

そんな気持ちでこの異議申し立て企画の事を
本間に話ししました。


小林
 
 
このやりとりがあって、僕はこの仕事の依頼を受けることにしました。
カメラマンの安部英知さん、アートディレクターの峯崎ノリテルくんも加わり、
個々の具体的なイメージとイメージを重ね合わせて、ビジュアル化しています。

この仕事に従事しているとき、デザイナーや、カメラマン、アートディレクター、ヘア、メイク、そしてスタイリストという一個人の主義主張をすんなりと受け入れてくれる
このファッションという世界の寛容さや、自由さ。
「この部分に惹かれて僕はこの世界に飛び込んだんだな」ということを再確認できました。

とてもいい仕事ができました。
よかったら手に取ってみてください。
(H間)
 

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2-tacs × Tennesea"Silver Crown cap pins"

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The Fhont Shopに少し変わった"Silver Crown cap pins"が入荷しています。

素材は通常よりもシルバーの純度が高めのシルバー950を使用。
その理由はデザインの形状にあります。
じつはこのピンズ、実際にボトルにはめることができるのです。
つまりピンズをボトルごとお客様にお買い上げしていただき、ご自身で栓を抜いて、ピンズとしてご使用していただくということです。
(シルバー950を使用する理由は開栓時にピンズの破損を防ぐために、あえてシルバーの純度を高めて軟度をあげているのです)
ピンズの製作は「Tennesea」という友人のブランドです。(以後お見知りおきを‥)

そこで先日「Tennesea」のクラウンキャップ・ピンズに僕がビンテージ・ボトルのスタイリングを施すという、小さなエキシビションを行いました。
(スペースの問題でディーラー様と親しい友人のみの案内となりました。ごめんなさい)
すでに買い手が決まっているものもありますが、ピンとくるものがありましたらお店までご連絡ください。 
 
 
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1920年代から60年代の様々な時代のビンテージボトル。
やはりそれぞれに雰囲気があります。

●2-tacs × Tennesea
"Silver Crown cap pins" VINTAGE BOTTLE
Mat : Silver 950
Col : Silver
Price : ¥25,000-(tax in)
 
 
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もう一つのシリーズはフリーハンドのペイントを施したものです。
ボトルはドメスティックのビンテージ・ボトルを使用しています。

●2-tacs × Tennesea
"Silver Crown cap pins" FREE HAND PAINTING [skafer] BOTTLE
Mat : Silver 950
Col : Silver
Price : ¥30,000-(tax in)THANKS SOLD!!
 
 
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ピンズのデザインは、何度も何度も不規則な周期でやってくる個人的なブーム「ピースマーク」がモチーフとなっております。(また、表面の凹凸も一つ一つ手作業で行っているようです)
 
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裏面にはピンが付いてあり、その位置が上部にあるのがわかりますか?
これはセンターにピンをろう付けすると、反り返ったときにピンのろう付けが取れてしまうのを防ぐためにこの位置にあります。
 
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そこで栓を抜く際にはグラフィックに対して、下から栓抜きを合わせていただく必要があります。
注意してください。
 
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このようにお気に入りのキャップやバッグなんかに刺すのも良し、ボトルのまま眺めるのも良しです。
どうぞ、よろしく〜。

(H)

【"CASE by CASE"】

みなさん。こんにちは。
ご機嫌いかがでしょうか。
突然のアナウンスになりますが、
店長のN山 a.k.a. アナザースカイがサンフランシスコへ旅行に行きましたので、
しばらくは僕とD樹で店番をすることになります。

久しぶりの店番に僕のドキはムネムネしております。
そこで来ていただいたお客様をお迎えするために、
「CASE by CASE」を製作しました。
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"CASE by CASE-01 Sling Bag"

UL文脈から派生したスリングバッグの重量は280G前後。
バックパックの吹流しを応用して容量の変化にも対応、
また、吹流し部分のバンジーコードを締めることによって
荷物を落とすこともありません。
ショルダーベルトはいろいろと試した結果、
現状で考えられるディティール全てを省き、
とてもシンプルな作りとなっています。(ピラピラしない!)

素材はボディがX-PAC
吹流し部はスピンネイカー
 
 
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"CASE by CASE-01 Sling Bag Re-Born"

古着のコーデュロイパンツを解体したリボーン・シリーズも1つ製作しました。
これは数寄者の方に...
 
 
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"CASE by CASE-02 Okusan Tote"

ご婦人方に大人気のトートタイプ。
ありそうでなかった、トートバックに吹流し。
重量は驚異の185G
「奥さん、いま貴女が片手で持っている挽肉より軽いよ!」
 
 
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"CASE by CASE-03 Attack to Furo"

厳冬期の山では余分な荷物をテントにデポして、
必要最小限の荷物を背負って山頂を目指すこともあります。
そこからヒントを得たスタッフサックにもなる
アタックバッグです。
どこにアタックするかって?
それは下山後の湯船に決まってるでしょ!
 
 
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"CASE by CASE-04 Coin Purse"

相変わらずの小銭入れ。
ブルーシート製は壊れます(笑)。
 
 
もちろんすべてオールハンドメイド。
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僕は今週の日曜日にいる予定です。
お待ちしております。
(H)

 


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誠に勝手ながら、今回入荷分のCASE by CASEは
店頭販売を優先させていただきますので、
通信販売は1/29(月)14時からといたします。
上記日時以前にご連絡いただきましても、
対応致しかねますので、ご容赦くださいませ。
よろしくお願いいたします。

"CASE by CASE-01 Sling Bag"
Fab : X-PAC & Spinnaker cloth

Col : Coyote brown , Cloud gray
Size : about W53 × D21 × H30(cm)
Weight : about 280g

Price : ¥20,000-(Plus tax)
THANKS SOLD!!
 
"CASE by CASE-01 Sling Bag Re-Born"
Fab : Vintage corduroy

Col : Assorted
Size : about W56 × D24 × H20(cm)

Price : Ask
THANKS SOLD!!
 
"CASE by CASE-02 Okusan Tote"
Fab : X-PAC & Spinnaker cloth

Col : Orange
Size : about W33 × D23 × H44(cm)
Weight : about 185g

Price : ¥16,000-(Plus tax)
THANKS SOLD!!
 
"CASE by CASE-03 Attack to Furo"
Fab : Spinnaker cloth

Col : Gray , Blue
Size : about W23.5 × D26(cm)
Weight : about 20g

Price : ¥4,500-(Plus tax)
THANKS SOLD!!
 
"CASE by CASE-03 Attack to Furo"
Fab : Dyneema® Composite Fabrics

Col : Green
Size : about W18 × D25(cm)
Weight : about 17g

Price : ¥8,500-(Plus tax)
THANKS SOLD!!
 
"CASE by CASE-04 Coin Purse"
Fab : X-PAC

Col : Coyote brown , Cloud gray
Size : about W13 × D10.5(cm)
Weight : about 10g

Price : ¥1,800-(Plus tax)
THANKS SOLD!!
 
"CASE by CASE-04 Coin Purse'
Fab : Blue seat

Col : Blue
Size : about W10 × D8(cm)
Weight : about 7g

Price : ¥1,300-(Plus tax)
THANKS SOLD!!


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